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渋沢たまき歌集『単独走者』

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炎天下ランニングせむとする吾に幼はすつと塩飴差し出す
マラソンのレースをともに戦ひしTシャツ今日は丁寧に干す
ホイアンの朝の喧噪駆け抜ける耳にピアスは光つてゐるか

結婚、出産、子育てに、不満があるのではない。みずからの夢を諦めたこと、
夢が何であったかさえ、もう思い出せないことに、ただ涙がこぼれるのだ。
たまきは、ひた走る。涙に追い付かれまいとして—。
今日の女性の生き方を鮮烈に示した「単独走者」は、孤独なランナーではない。
雁部貞夫

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