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松本達雄歌集『海彼』
¥2,750
「牙」を経て「八雁」創刊に参加した著者が76歳にして上梓、茂吉への思慕が横溢する第一歌集。 ライン河の船上にひとり飲むワイン茂吉歌集をひもときながら 野葡萄の紫の実を手のひらに握り潰せば秋深みたり 色欲と食欲【じきよく】つよき人ならむ人間茂吉と知るはうれしも Hitler の演説巷にひびきしゆゑ茂吉は愛国の歌詠みにけむ 朝なさなWien 【ウイーン】の茂吉が食ひにけむKaisersemmel 【カイザーゼンメル】を今朝われも食【を】す 定価:2,750円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:248頁 ISBN:978-4-86534-486-8 初版:2024年8月26日 発行:現代短歌社
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門脇篤史歌集『自傾』
¥2,970
『微風域』から5年。人知れず地に湧く水のごとく静謐たらんとする第2歌集。 朝といふひとひのはたて細挽きのキリマンジャロに湯はしづみこむ 誕生のときから冷えてゐたやうなソーセージパンをひとり食みをり 宰相たりしひと撃たれける道の辺に南都まほろば証券聳ゆ モンブランひかりの中に並み立ちてわづかにちがふ栗のかたちは 全集の端本をひとつ売るやうに故郷のことをあなたに話す 定価:2,970円(税込) 判型:四六判変形ハードカバー 頁数:208頁 ISBN:978-4-86534-487-5 初版:2024年8月12日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院(Gift10叢書第58篇)
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曽川文昭歌集『ファースト・フライト』
¥2,750
日本の製造業に携わってきた自負をもちつつ揺れるこころ。清新な第2歌集。 戦争もロックダウンも長期化と天気予報のごとくに伝ふ つぎつぎと操業停止の報は来てこの産業の構造を見す 買ひ来たる海苔弁当に美学ありスタンダードは何に基づく 子供らの笑顔をうたふ新型車走りゆくなり衰退の国 空爆を遠隔操作で成すといふ虚構ならざる世を詠みゆかむ 定価:2750円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:132頁 ISBN:978-4-86534-482-0 初版:2024年7月7日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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佐々木剛輔歌集『邂逅』
¥2,750
満州の悪夢を89歳の今も短歌で語り継ぐ著者。堂々の第6歌集。 満州開拓の悲劇を風化させてはならないと短歌に詠んできた。詠みきれないもどかしさを助けてくれたのが歌声であった。名古屋男声合唱団指揮者の高橋昭弘さんが『棄民』の短歌に目を留め、創作曲となったのだ。また、パリ大学国立高等研究院名誉教授のロータモンドさんがドイツ語の著書に『棄民』の短歌と挿絵を紹介された。歌集『棄民』が欧州へ渡ったのである。 (「あとがき」より) 長野県の開拓団は日本最多飯田下伊那県下で最多 二人分の招待券は届きたり鴨居の妻と連れ立ち行かん わが歌集『棄民』は欧州へはばたきぬわれには想定外のことにて 定価:2750円(税込) 判型:A5判ハードカバー 頁数:208頁 ISBN:978-4-86534-480-6 初版:2024年6月24日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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佐々木辰子歌集『風のルフラン』
¥2,750
米寿を迎えた著者は長年、高松市の合唱団でタクトを振る。洗練の第2歌集。 明け方の夢に泣きつつ目覚めたり優しき雨に打たれしごとく ぐじぐじとかすかな音に立ち上がるわがパソコンよ汝も老いしか この庭に宴せし日ははるかなり樹下にひとり聴く風のルフラン 定価:2750円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:192頁 ISBN:978-4-86534-481-3 初版:2024年6月6日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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川島結佳子歌集『アキレスならば死んでるところ』
¥2,200
言葉が体当たりする第二歌集。 松よ常に格好よくなきゃいけないのか枝の上側に葉をつけていて 蚊はわたしの血を吸い蜘蛛は蚊を食べて終わりワンルームの食物連鎖 朝は収穫 干しっぱなしのブラジャーとストッキングを身につけてゆく 定価:2200円(税込) 判型:四六判ソフトカバー 頁数:158頁 ISBN:978-4-86534-478-3 初版:2024年6月18日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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池村真理歌集『霙ふりしむ』
¥2,200
霙ふりしむ 池村真理/著 「米沢短歌会」所属の著者が古稀の節目に上梓した第一歌集。乾いた心に霙が恩寵のようにしずかに降り染む。 五年後の実りを祈り伏す夫と檸檬のたねをコットンに蒔く 稲茎のならぶ刈田の淋しもよ米沢盆地に霙ふりしむ ふうらりと雪のただよふ昼下がりしづかに詠ひ始むる挽歌 定価:2200円(税込) 判型:四六判ソフトカバー 頁数:144頁 ISBN:978-4-86534-433-2 初版:2023年12月8日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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井口可奈歌集『わるく思わないで』
¥2,750
第11回現代短歌社賞受賞 「安定した不安定さ」とでも呼びたくなる文体にゆるぎない作家性を感じ、「みつけた」という確信を抱いた。 平岡直子 不適応の記号をなぞりながら、世界に対する〈わたし〉の負けを、むりやり勝ちへとひっくり返そうとする。 乾 遥香 言葉自体がもつ自発的な跳躍力を十全に発揮させている。読者はそのエネルギーにただただ身を任せればよいのだ。 大辻隆弘 洗濯機まわるエリーゼのためにかもしれない曲はほそながい川 さわらないようにしている仁丹をあなたはぐちゃぐちゃさわれてすごい 月おぼろあなたなに言ってるのって言われあきたよ水は透明 手をつたう水のわたしっぽくなさとわたしっぽさのあいだに桃が これからの杏仁豆腐どうでしょうすべてわたしに任せてみるのは 定価:2750円(税込) 判型:四六判変形ハードカバー 頁数:204頁 ISBN:978-4-86534-474-5 発行日:2024年4月29日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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吉川宏志歌集『雪の偶然〈新装版〉』
¥1,980
第58回迢空賞受賞作、〈新装版〉にて再刊。 修辞は、想像力は、ここまで磨きぬかれた。 世界の惨を、歌い尽くすために。 言葉は、ついに、無力だった、と証すために。 言葉より狂いはじめし世にありて紅葉は何の内臓ならむ 慰安所の扉に続く列がある 水溜まりを避けて途切れたる列 幼な子が見しものは絵に残されて踊るごとし銃に撃たれたる人 銃床に使われるというクルミの木 枝をくぐりて雪は降り来る 匙もつ手 鱈をさばく手 ウラジーミル・プーチンと書き紙を折りし手 定価:1980円(税込) 判型:四六判ソフトカバー 頁数:240頁 ISBN:978-4-86534-483-7 発行日:2024年5月21日 発行:現代短歌社
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内藤明著『抒情の構造 ―喪われた〈故郷〉の位相』
¥4,180
近代短歌は、万葉集をはじめとする歌の古層から、喪われた〈故郷〉を幻視する術を継承した。だが、〈故郷〉があったことさえ忘却された今日、始原への憧憬が、鉄幹、晶子、子規、左千夫、茂吉、白秋、空穂、御風、牧水、また武川忠一、上田三四二、玉城徹、山崎方代らにおける〈故郷〉の位相を読み解くことへと著者を向かわせた。『万葉集の古代と近代』に続く労作。 世界の秩序が音を立てて崩壊していく様を、われわれは目の当たりにしている。(略)あらゆる境界が失われ、内部も外部も混沌とした現在、人間と自然の一体といった認識は、神話であるとともに現実でもある。壊れ浮遊しつつ、自然に包摂されていく主体から発せられる、現代の絶望と祈りが一体となった歌を、私は夢想するのである。[本書より] 本書の内容 序 絶望と祈り Ⅰ 万葉集とうたの生成 第1節 祈りと再生―『万葉集』天智天皇挽歌群を素材として 第2節 抒情の構造―始原への憧憬 第3節 季節の叙景―人麻呂歌集宇治河作歌二首をめぐって 第4節 漂泊・叙景・抒情―高市黒人と山部赤人 第5節 表現としての恋―坂上郎女 第6節 老いと人生―旅人と憶良 第7節 規範性からの逸脱―東歌をめぐって 第8節 『万葉集』に鳴く鳥 第9節 根源へむかうもの―五つの元素と歌 Ⅱ 近代短歌の成立 第10節 〈近代化〉と〈短歌〉 第11節 〈われ〉の生成・主体のゆくえ 第12節 和歌・短歌の音楽性 第13節 与謝野鉄幹覚書 第14節 与謝野晶子の春 第15節 晶子の熟成―『舞姫』と『夢之華』 第16節 晶子晩年の一首 第17節 正岡子規―継承と創造 第18節 伊藤左千夫―「おりたちて」の意味するもの 第19節 斎藤茂吉『赤光』と『万葉集』―原郷の彼方へ 第20節 茂吉の戦中歌集 第21節 北原白秋『雲母集』と『梁塵秘抄』―「赤」への傾倒 第22節 窪田空穂―〈実感〉への信頼 第23節 空穂と『万葉集』 第24節 相馬御風―飛翔と回帰 第25節 若山牧水の〈自然〉 Ⅲ 武川忠一と戦後の時間 第26節 歴史と時間―古代の歌などをめぐって 第27節 現実と源泉と―歌論家・批評家としての武川忠一 第28節 風土の生成―武川忠一『氷湖』をめぐって 第29節 「ひかり」への憧憬―上田三四二小論 第30節 表現主体の影―玉城徹『樛木』寸感 第31節 重層化する〈私〉 ―「方代」と「われ」 第32節 記憶と詩―山崎方代『迦葉』 終章 第33節 故郷のありど 第34節 喪失と郷愁 定価:4180円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:434頁 ISBN:978-4-86534-477-6 初版:2024年3月31日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院(gift10叢書第55篇)
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江田浩司著『短歌にとって友情とは何か』
¥1,980
歌人の友情はいかにして可能か? 友情を妨げる歌壇の力学とは? 問われたことのない問いから、歌人の精神のありようが見えてくる。 本書の内容 Ⅰ 短歌にとって友情とは何か 序章 「ずっと、ここにいるから。」 1 友情の限界 ―石川啄木と金田一京助 2 友情の本質 ―与謝野鉄幹と北村透谷・薄田泣菫/石川啄木と土岐善麿 3 孤独と友情 ―斎藤茂吉と吉井勇 4 友情の美点 ―玉城徹と級友/岡井隆と相良宏 5 友情は愛に似て ―与謝野晶子と山川登美子/三ヶ島葭子と原阿佐緒 6 友情と恋愛の間に ―田辺元と野上弥生子/西行と西住 7 友情を包む光 ―岡井隆と米田利昭 8 友情と夭折 ―小中英之と小野茂樹 9 友情と追悼 ―岡井隆と大岡信 10 友情と思想 ―馬場あき子と中国革命 11 時代を超える友情 ―本歌取り 12 友情の消滅 ―二冊の本 13 批評の不在 ―友情を妨げる力学について 14 超実践的短歌鑑賞用語辞典 終章 「また、あいましょう。」 Ⅱ 寺山修司をめぐる断想 1 不連続体について ―未発表歌集『月蝕書簡』を読む 2 「新しい個」の表現 ―『寺山修司の俳句入門』を読む 3 寺山修司と「作者の死」 定価:1980円(税込) 判型:新書判ソフトカバー 頁数:160頁 ISBN:978-4-86534-437-0 発行日:2024年2月26日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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正岡豊歌集『白い箱』
¥2,970
1990年に『四月の魚』を刊行、穂村弘らの称賛を浴びた著者。33年の沈黙を破って上梓する第二歌集。 この歌集には、昭和最後の男の児の声が充満している。そもそも私にとって正岡豊は、〈沼になる寸前をきみにみられてしまう〉や〈鷹としてふいにけむりをさけるかな〉の俳人なのだ。感傷の欠片も無く、地獄の機械【インファナル・マシン】のように美しい正岡の俳句を人間化したのが『白い箱』の短歌だ、と私は理解した。当否は知らない。 高山れおな きみのはだかが輝かないくらいランプだったことをきみは知っていたか 韻律がぼくを忘れた夕暮れにきみはわらびもちぶらさげてくる 細胞膜はあっても細胞壁はないわたしとあなたでのぼるやまなみ 星がひいたおみくじのなかにウスバカゲロウの羽根で出来たのが二枚 コッペリア ティアラ カチューシャ チュチュ ドレス シューズ 砂漠に咲く赤い花 定価:2,970円(税込) 判型:A5判変型ソフトカバー 頁数:244頁 ISBN:978-4-86534-435-6 初版:2023年12月13日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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鳥居あけみ歌集『ぶだう一房』
¥2,970
2007年以降の作を収める第二歌集。かりん叢書第428篇。 人生の大きな曲がり角を曲がりながら、作者の精神はたくましい。 現実への鋭い眼差しも、秘めた情熱も、下句にくっきりと刻まれるのである。 米川千嘉子 はしゃぐ子らの声響きくる平和とはぶだう一房シェアするベンチ 定価:2,970円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:210頁 ISBN:978-4-86534-434-9 初版:2023年12月13日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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大辻隆弘歌集『水廊』
¥880
トーキョーが俺の短歌をばかにする 春夜ゆゑなき憤りはや 青春はたとへば流れ解散のごときわびしさ杯をかかげて 品切となっていた著者第一歌集(第一歌集文庫版)を再刊。 疾風にみどりみだるれ若き日はやすらかに過ぐ思ひゐしより わたしはこの一首を現代の青春歌の代表的な一つに算えたいと思った。(略)かれの青春と同時に、一世代以上前のわたしの青春も映っているような気がして心いたむのだ。 岡井隆 文庫版解説=山吹明日香 定価:880円(税込) 判型:文庫判 頁数:124頁 ISBN: 978-4-86534-432-5 第2版:2023年8月25日
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沼沢修歌集『秋のひかり』
¥2,970
沼沢修君は、正真正銘の「みちのくびと」である。 「みちのく」への思いは優しく深い。しかも、歌の内容は多彩で美しい。啄木にとって「ふるさとの山」は岩手山だったが、沼沢君にとってそれは月山と鳥海山であると言ってよい。 岡本 勝 芭蕉越えし猿羽根(さばね)峠のやまざくら残雪ほそる谿に散りゆく 羽根ひろげ秋のひかりに落つるときおのずから光(て)る科(しな)の木の実は 雪道に濡れつつわれを待ちし母想えば母がふる里なりき 定価:2970円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:214頁 ISBN:978-4-86534-430-1 発行日:2023年9月7日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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金沢青雨歌集『またね』
¥2,200
「詠み手は、心が動くふとした瞬間のきらめきを逃すまいという抑えがたい衝動に駆られ、歌を詠みます」 本歌集の「あとがき」にそうあった。驚いた。私は必ずしもこうは思わない。けれども金沢さんはそのように断言している。そしてこの断言に私は胸を打たれる。 染野太朗「跋 きらめきについて」 淡雪は紫苑に染まる夕暮れにやわらかく舞いレンガを包む 地より湧く水を手桶になみなみと満たせど漏れつ逢わずにいれば すこしだけひとりになって考えるそしたらあすからまたがんばれる 定価:2,200円(税込) 判型:四六判変形 頁数:110頁 ISBN:978-4-86534-427-1 初版:2023年8月10日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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長谷川麟歌集『延長戦』
¥2,200
第10回現代短歌社賞の長谷川麟が描く、 僕らの僕らによる僕らのための延長戦の記録。 いい映画だったね、とだけ言うことに決めてからエンドロールが長い 空振ったけれどもこれは悪くないスイング 春は一気に迫る アルティメット大好き級の恋だからグラップラー刃牙全巻売った 定価:2200円(税込) 判型:四六判変形 頁数:228頁 ISBN:978-4-86534-426-4 発行日:2023年7月23日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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中村ヨリ子歌集『徳不孤(とくはこならず)』
¥2,750
長く苦しい葛藤の時が過ぎ、 心静かに茶の湯をたのしむ今がある。 徳を積めば、必ず助けてくれる人がいる—— 遠く故郷に掛けられた一扁の額に、 人生を導かれるかのように。 目の子算できないほどにさくらの葉散れば梅雨明け沖縄の地は 早朝の茶会に遅れ来るという一人のために炭を継ぎ足す 客人と幾度行きしや首里城の優待券の二枚が残る 「おいしくないから食べて」と言いし義母のように辺野古に言うか普天間基地を わが一生大河ドラマを演じたと思えばよろし誰も恨むな 定価:2750円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:218頁 ISBN:978-4-86534-425-7 発行日:2023年6月24日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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佐々木剛輔歌集『〈新版〉棄民』
¥880
著者が生涯をかけて詠い続ける満州の記憶。 歌集『棄民』に『満蒙開拓国策愚か』より100余首を収録、再編集して文庫化。 解説=橋本喜典 文庫版解説=染野太朗 白地図の「満州」に赤き色を塗るぬり絵あそびは遊びにあらず 定価:880円(税込) 判型:文庫判 頁数:150頁 ISBN:978-4-86534-408-0 発行日:2023年6月30日 発行:現代短歌社
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長澤一作歌集『春の残照』
¥2,970
17歳で佐藤佐太郎に師事し、写実の刷新に努めた長澤一作の遺歌集を没後10年を記念して刊行。61歳から87歳までの2000首余りを収録。 あぢさゐの花暗みゆくかなたにて梅雨の曇ににじむ夕映 池水の濁り揺らぐと思ふとき用あるごとく亀浮びくる 浅宵の小公園によどみゐる栗の花の香よぎりて帰る 定価:2970円(税込) 判型:四六判ソフトカバー 頁数:422頁 ISBN:978-4-86534-423-3 発行日:2023年6月24日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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梅津純子歌集『白き川』
¥2,750
秩序を失った世界を厳しいまなざしで見つめる、「山麓」所属の著者の第二歌集。 年だから女だから一人だからイザベラ・バードの辞書に無かりき 万策の未だ尽きぬに果てし知事悼みてわれも雨の七万人 除雪機の青と黄色が陽を返すウクライナの子らに春はいつ来る 定価:2,750円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:268頁 ISBN:978-4-86534-421-9 初版:2023年4月28日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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田宮智美歌集『にず』
¥2,200
私は田宮さんにお会いしたことはない。でも、遠くで戦っているあなたを、ずっと知っていたような気がする。 北山あさひ(「栞」より) 電柱の根元にタンポポ咲いていて 生命保険審査に落ちる こんなにも美味しいわたしの唐揚げをわたし一人が食べている夜 しあわせな歌が詠みたい誰からも全然ほめられなくていいから 定価:2000円(税別) 判型:四六判ソフトカバー 頁数:176ページ ISBN: 978-4-86534-330-4 発行日:2020年7月15日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院(gift10叢書第29篇)
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山中律雄歌集『淡黄』
¥3,300
若き日に、川島喜代詩の添削を受け、「没すべき細部」などの骨法を学んだ著者。 佐藤佐太郎から川島喜代詩へと続くうたの流れに、おのれを濯ぎながら、到り着いた境地がここにある。 病を得て生死と向き合った圧巻の連作を収める第五歌集。 海上に雲去りゆきてはつ夏の風吹く街は空軽くなる 墨染めの僧衣まとひて乗るバスのわれの傍へに人は座らず 追熟を待てと言はれしマンゴーをその日に食ひてほぼ無駄にする 死者生者けぢめなくして暁の夢に睦みて言葉をかはす 満開とおもひて桜あふぎしが二日経てけふかがやきを増す 定価:3300円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:198頁 ISBN:978-4-86534-401-1 発行日:2022年9月17日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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田村穂隆歌集『湖とファルセット』
¥2,200
肉体に封じこめられた魂。湖のむこう岸のように遠く、かすかにひびくその声【ファルセット】が今日も聴こえる—。第8回現代短歌社賞次席の著者の、清冽なデビュー作。 栞=内山晶太・川野芽生・阿木津英 そうか、僕は怒りたかったのだ、ずっと。樹を切り倒すように話した 定価:2,200円(税込) 判型:四六判ソフトカバー 頁数:176頁 ISBN:978-4-86534-362-5 発行日:2022年3月1日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院(gift10叢書第42篇)