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  • 歌集・歌書
  • 菅野朝子歌集『花巡る』

    ¥2,970

    しばらくを倚子に依れども能登の酒尽きる頃密かにいなくなる山百合ひとつ咲かせながらに かつて岡井隆率いる朗読会で注目を集めた歌人、菅野朝子。長い沈黙を経て、ふたたび歌を作り始めたとき、いくつかの歌は不可解なリズムを有していた。どこか仏足石歌や長歌を思わせる一首一首の声が、濃密な音楽の流れとなってこちらに向かってくる。身体の中から噴きだすような重い言葉の流れが、短歌の韻律を壊そうとするのだ。枯れないという凄絶な悲しみに、私は圧倒されるばかりであった。 佐伯裕子 否(ノン)だけはやけにはっきり言うじゃない 皿に置きざりのフォアグラ ああきみはかぐわしき御者夜をまとい星をまといて雪はこび来し されど愛恋れもんのさまに絞りぬくゆめわたくしを蜜と思うな 〈歌と女と、いやいや、をんなと歌なのだ、辛き地上を去るその日まで〉(『ヴォツェック/海と陸』)と詠った岡井隆こそは、菅野朝子の師であった。相聞なき時代に、感情の残高のほぼ全額を相聞に賭けた、さにつらう第三歌集。

  • 齋藤芳生歌集『牡丹と刺繍』

    ¥2,970

    泣いているわたくしたちに金継ぎを施すように春の光は 中東で働いた若き日々、福島での生活、塾で教える子どもたち。 この三角形のなかで、歌人は、〈わたくしたち〉の世界をひらこうとする。 第七回佐藤佐太郎短歌賞受賞『花の渦』以後の作品を収録する第四歌集。

  • 一ノ関忠人歌集『欅、その他』

    ¥3,300

    音楽をかけて本を読み耽り、色鉛筆で野菜を写す。家族と語らい、少しの酒を呑み、夜はあやしい夢に魘され、朝は皿を洗う。日本の近現代史への悲憤をしずかに湛えながら、今日の仙人は老いを深めてゆく。佐藤佐太郎短歌賞受賞後の作を収録。 雨の後のあけぼの杉の若みどりシャワー浴びたる女身のごとし キッチンのシンクに一つ苺の蔕だれだかくれていのちを喰ふは 若き日の地下鉄の切符を持ちつづけ昭和天皇は自由を夢む 北庭にごろりころがる石がいふまあそのままで自然無為にて ベランダにほうとしてゐる老いひとり隣に妻が空を見にくる わが家の人麻呂どんが歌ひだす曇り空なれど薄く陽させば おとろへたる末の世なれば古き世を慕はしといふ兼好親し

  • 山中律雄『光圏』 2刷

    ¥3,300

    僧侶として身口意の調和を説く著者が、みずからの身に癌の宣告を受けた時、混乱と葛藤にこそ、生の実相を、その輝きを見たのは、歌人なるがゆえであった。茂吉、佐太郎の流れを今日に受け継ぎ、昇華した歌がここにある。 裏畑に実りて赤きミニトマト作も法もなく四つ五つ食ふ 朝顔の花を数へてゐる妻かわづかに下の顎うごかして いとけなき子らといへども金銭に話およべばいきいきとする 死の淵に日日過ごしゐて釈尊の教へさしたるものと思はず うちつけに闇のなかよりあらはれて蛾が街灯の光圏を飛ぶ

  • 上川涼子『水と自由』

    ¥2,750

    「水は一日をとおして色を転じながら、しかし闇を湛えても透明です。そのように澄んだ眼で、あるいは文体で、一切を見透すことができたら、と水のめぐりに思います」 (「あとがき」より) 鞍を外しし馬の背中のひろがりを潮の引きたる浜に見てゐつ たどりつくべき港などなきゆゑに鋏は紙をしづかにすすむ 小舟にも羽根にも喩へられながら耳と耳には澄みわたる距離 全天が繊月を得しこのゆふべ行き交ふ人の荷のひとつ、鍵 硝子戸に映れるかげは心臓のあるべき高さに草そよぎをり

  • 當間實光『辺戸岬』

    ¥2,970

    ヤマトに侵される琉球の、それでもやさしさを失わないたくましい心を、 この一巻をもって読者は知るだろう。 おおらかな自然を詠みながら、懐郷の念を裏切られた悲しみと怒りを ユーモアやアイロニーへと昇華させた沖縄短歌の現在地。 戦後八十年を問う第三歌集。 オカガニが道渡り損ね轢かれおりオーストラリアの地図のごとしよ 普天間から辺野古に移してどうなるものか猫の引っ越しでもあるまいに そのかみの琉球王国の隣にて小琉球と呼ばれし台湾よ 美しい星に生きてるホモ・サピエンスどうして止めぬ共食いの戦 戦終えし摩文仁の野辺はたちまちに菫たんぽぽ芽吹きたりしとぞ

  • 曲がらなければ伊勢まで行ける

    ¥2,750

    第11回現代短歌社賞で次席となった著者のデビュー作。 栞=内山晶太・北山あさひ・島田幸典 起案時にクリップ(大)の稟議書がクリップ(小)で返却される 「ちょっと教えてもらえますか」に「どういった件でしょうか」と質問を返す ほどほどに意地を張りたい 駅弁は電車が動いてから食べるもの

  • 現代短歌新聞2025年6月/159号

    ¥300

    2025年6月5日発売 タブロイド判/16頁 1部:300円(税込)/ 年間講読料:3,600円(送料・税込) 1面 [インタビュー]和歌の季題=季語が短歌ではなく、俳句に継承されている捻じれのなかで。/高山れおな [現代の作家]誤算重ねて/藤岡武雄  躱す/青野里子 2面 半田良平没八十年/吉田直久 [6月のうたのヒント]當間實光 3面 [歌壇時評]大井学 [薫風自南来]沖縄の若手/屋良健一郎 4面 [推敲アドバイス]56 吉川宏志 [選び直し百人一首]003 天武天皇/林和清 5面 [二秒後の口語]15/平岡直子 [現代俳句採集]22/佐藤文香 6面-7面 [書評] 久保田登『百花蜜』/古谷円 勝島靖夫『赤龍悲傷吟』/小黒世茂 千種創一『あやとり』/大松達知 玉城洋子『炎昼』/名嘉真恵美子 大辻隆弘『私性とリアル』/寺井龍哉 瀬戸夏子『そのなかに心臓をつくって住みなさい』/正岡豊 渡英子『メロディアの笛Ⅱ』 /大西久美子 田坂美栄子『夕星』/生沼義朗 8面-10面 [静岡県の歌人]作品5首 11面 [短歌文法道場]47 形容動詞の特徴/小塩卓哉 [短歌レッスン]99 /外塚喬 [短歌の小道具一〇〇選]90 歌/藤島秀憲 12-13面 [読者歌壇]平山公一/今野寿美 選 14-15面 [結社動静]塚本邦雄硏究の會 他 16面 [全国歌壇ニュース] [四コマ]エア歌人さん【63】他

  • 江田浩司歌集『艸影集』

    ¥2,970

    韻律の魔力が著者を導くべくしてこの境地に導いた。亡き歌人たちへの思慕を深め、魂を鎮めんとする第11歌集。 わが生の幻としてこの地なる艸(さう)影(えい)にあれ智恵子と隆

  • 松村正直歌集『について』

    ¥2,200

    連作をまとめたⅠ部、小題なく200首を羅列するⅡ部。歌集という制度に、静かに叛旗をひるがえす第6歌集。 餃子焼くひとはひたすら餃子焼き焼かないときは餃子を包む

  • 松本千恵乃歌集『霧のメロディア』

    ¥2,970

    世界を巡り、歴史を見渡し、命をうたう―。松本さんの言葉には、大らかな開放感と鋭い理知、その両方が満ちている。自ら行動し、見るべき細部を求め、他者を想像する短歌たち。国際都市福岡にはぐくまれたその詩情が、閉塞した現代へ、爽快な風を送り込んでゆく。 黒瀬珂瀾 ヴィエリチカ岩塩坑の地底湖よ月光のこと話してよいか わが描くピサの斜塔を肩ごしに少年は覗き傾斜を比ぶ 「あるいは」のあと二行空く鴇【とき】色の文をわたしにいつかください 岡井隆に師事した著者の、社会詠を詩情に高めんと意欲する第二歌集。 

  • 嵯峨直樹歌集『塔 TOWER』

    ¥2,970

    結晶化せずに、砕け散る言葉。それでも、なにかを抒情する言葉。著者第4歌集。 一束のひかりになってぬばたまのコーラの黒にしんと吸われる 夕焼けは解き放たれていちめんに賑やかな火をつけてまわった なごやかに仕事おさめてひとごろし今日は自分を甘やかしたい 関係の結び目すべて燃えているこんな世界は望んでいたよ 夏空にきらめきながら張り付いたロボット永遠の相聞として

  • 勝島靖夫歌集『赤龍悲傷吟』

    ¥2,970

    著者第四歌集。 一頭の赤龍が奈良盆地に棲みついて半世紀を経る。地を這いまわった跡は、三十一文字となった。人々は砂を払って読んだ、そこに書かれているみずからの嘆きを―。 ひろひたるヤマトタマムシの内臓は蟻にたかられてをり捨てつ 汚れつちまつた悲しみなりぬ東国の防人いくたりかへらざる防人 平家物語のごとし。花も心も科学も三十一文字も、ガザも 定価:2970円(税込) 判型:A5判ハードカバー 頁数:218頁 ISBN:978-4-86534-495-0 初版:2025年4月12日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院

  • 瀬戸夏子歌集『そのなかに心臓をつくって住みなさい』

    ¥990

    Meteora Library vol.01 瀬戸夏子の第一歌集をペーパーバックで13年ぶりに復刊。 太陽と月に背いてごみ箱のヴェルレーヌ埋葬費用九百フラン ではなく雪は燃えるもの・ハッピー・バースデイ・あなたも傘も似たようなもの そのなかに心臓をつくって住みなさい春の心臓抜かれるところ 定価:900円+税 頁数:122ページ 判型:ペーパーバック(170×106mm) ISBN:978-4-86534-494-3

  • 横山季由著『短歌上達のヒント』

    ¥1,980

    土屋文明の謦咳に接し、吉田正俊、宮地伸一、小谷稔らの指導を仰ぎ、半世紀以上の長きにわたり、アララギの作歌を学んできた著者。選者をつとめる北陸アララギ誌「柊」に連載中の「歌のヒント」を改稿、初心者に作歌の理論と実践を懇切にアドバイスした好著。 定価:1,980円(税込) 判型:新書判ソフトカバー 頁数:228頁 ISBN:978-4-86534-492-9 初版:2025年2月20日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院

  • 松本達雄歌集『海彼』

    ¥2,750

    「牙」を経て「八雁」創刊に参加した著者が76歳にして上梓、茂吉への思慕が横溢する第一歌集。 ライン河の船上にひとり飲むワイン茂吉歌集をひもときながら 野葡萄の紫の実を手のひらに握り潰せば秋深みたり 色欲と食欲【じきよく】つよき人ならむ人間茂吉と知るはうれしも Hitler の演説巷にひびきしゆゑ茂吉は愛国の歌詠みにけむ 朝なさなWien 【ウイーン】の茂吉が食ひにけむKaisersemmel 【カイザーゼンメル】を今朝われも食【を】す 定価:2,750円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:248頁 ISBN:978-4-86534-486-8 初版:2024年8月26日 発行:現代短歌社

  • 門脇篤史歌集『自傾』

    ¥2,970

    『微風域』から5年。人知れず地に湧く水のごとく静謐たらんとする第2歌集。 朝といふひとひのはたて細挽きのキリマンジャロに湯はしづみこむ 誕生のときから冷えてゐたやうなソーセージパンをひとり食みをり 宰相たりしひと撃たれける道の辺に南都まほろば証券聳ゆ モンブランひかりの中に並み立ちてわづかにちがふ栗のかたちは 全集の端本をひとつ売るやうに故郷のことをあなたに話す 定価:2,970円(税込) 判型:四六判変形ハードカバー 頁数:208頁 ISBN:978-4-86534-487-5 初版:2024年8月12日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院(Gift10叢書第58篇)

  • 曽川文昭歌集『ファースト・フライト』

    ¥2,750

    日本の製造業に携わってきた自負をもちつつ揺れるこころ。清新な第2歌集。 戦争もロックダウンも長期化と天気予報のごとくに伝ふ つぎつぎと操業停止の報は来てこの産業の構造を見す 買ひ来たる海苔弁当に美学ありスタンダードは何に基づく 子供らの笑顔をうたふ新型車走りゆくなり衰退の国 空爆を遠隔操作で成すといふ虚構ならざる世を詠みゆかむ 定価:2750円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:132頁 ISBN:978-4-86534-482-0 初版:2024年7月7日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院

  • 佐々木剛輔歌集『邂逅』

    ¥2,750

    満州の悪夢を89歳の今も短歌で語り継ぐ著者。堂々の第6歌集。 満州開拓の悲劇を風化させてはならないと短歌に詠んできた。詠みきれないもどかしさを助けてくれたのが歌声であった。名古屋男声合唱団指揮者の高橋昭弘さんが『棄民』の短歌に目を留め、創作曲となったのだ。また、パリ大学国立高等研究院名誉教授のロータモンドさんがドイツ語の著書に『棄民』の短歌と挿絵を紹介された。歌集『棄民』が欧州へ渡ったのである。 (「あとがき」より) 長野県の開拓団は日本最多飯田下伊那県下で最多 二人分の招待券は届きたり鴨居の妻と連れ立ち行かん わが歌集『棄民』は欧州へはばたきぬわれには想定外のことにて 定価:2750円(税込) 判型:A5判ハードカバー 頁数:208頁 ISBN:978-4-86534-480-6 初版:2024年6月24日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院

  • 佐々木辰子歌集『風のルフラン』

    ¥2,750

    米寿を迎えた著者は長年、高松市の合唱団でタクトを振る。洗練の第2歌集。 明け方の夢に泣きつつ目覚めたり優しき雨に打たれしごとく ぐじぐじとかすかな音に立ち上がるわがパソコンよ汝も老いしか この庭に宴せし日ははるかなり樹下にひとり聴く風のルフラン 定価:2750円(税込) 判型:四六判ハードカバー 頁数:192頁 ISBN:978-4-86534-481-3 初版:2024年6月6日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院

  • 川島結佳子歌集『アキレスならば死んでるところ』

    ¥2,200

    言葉が体当たりする第二歌集。 松よ常に格好よくなきゃいけないのか枝の上側に葉をつけていて 蚊はわたしの血を吸い蜘蛛は蚊を食べて終わりワンルームの食物連鎖 朝は収穫 干しっぱなしのブラジャーとストッキングを身につけてゆく 定価:2200円(税込) 判型:四六判ソフトカバー 頁数:158頁 ISBN:978-4-86534-478-3 初版:2024年6月18日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院

  • 池村真理歌集『霙ふりしむ』

    ¥2,200

    霙ふりしむ 池村真理/著 「米沢短歌会」所属の著者が古稀の節目に上梓した第一歌集。乾いた心に霙が恩寵のようにしずかに降り染む。 五年後の実りを祈り伏す夫と檸檬のたねをコットンに蒔く 稲茎のならぶ刈田の淋しもよ米沢盆地に霙ふりしむ ふうらりと雪のただよふ昼下がりしづかに詠ひ始むる挽歌 定価:2200円(税込) 判型:四六判ソフトカバー 頁数:144頁 ISBN:978-4-86534-433-2 初版:2023年12月8日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院

  • 井口可奈歌集『わるく思わないで』

    ¥2,750

    第11回現代短歌社賞受賞 「安定した不安定さ」とでも呼びたくなる文体にゆるぎない作家性を感じ、「みつけた」という確信を抱いた。 平岡直子 不適応の記号をなぞりながら、世界に対する〈わたし〉の負けを、むりやり勝ちへとひっくり返そうとする。 乾 遥香 言葉自体がもつ自発的な跳躍力を十全に発揮させている。読者はそのエネルギーにただただ身を任せればよいのだ。 大辻隆弘 洗濯機まわるエリーゼのためにかもしれない曲はほそながい川 さわらないようにしている仁丹をあなたはぐちゃぐちゃさわれてすごい 月おぼろあなたなに言ってるのって言われあきたよ水は透明 手をつたう水のわたしっぽくなさとわたしっぽさのあいだに桃が これからの杏仁豆腐どうでしょうすべてわたしに任せてみるのは 定価:2750円(税込) 判型:四六判変形ハードカバー 頁数:204頁 ISBN:978-4-86534-474-5 初版:2024年4月29日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院

  • 吉川宏志歌集『雪の偶然〈新装版〉』

    ¥1,980

    第58回迢空賞受賞作、〈新装版〉にて再刊。 修辞は、想像力は、ここまで磨きぬかれた。 世界の惨を、歌い尽くすために。 言葉は、ついに、無力だった、と証すために。 言葉より狂いはじめし世にありて紅葉は何の内臓ならむ 慰安所の扉に続く列がある 水溜まりを避けて途切れたる列 幼な子が見しものは絵に残されて踊るごとし銃に撃たれたる人 銃床に使われるというクルミの木 枝をくぐりて雪は降り来る 匙もつ手 鱈をさばく手 ウラジーミル・プーチンと書き紙を折りし手 定価:1980円(税込) 判型:四六判ソフトカバー 頁数:240頁 ISBN:978-4-86534-483-7 初版:2024年5月21日 第2刷:2025年9月17日 発行:現代短歌社

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