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佐々木剛輔歌集『〈新版〉棄民』
¥880
著者が生涯をかけて詠い続ける満州の記憶。 歌集『棄民』に『満蒙開拓国策愚か』より100余首を収録、再編集して文庫化。 解説=橋本喜典 文庫版解説=染野太朗 白地図の「満州」に赤き色を塗るぬり絵あそびは遊びにあらず 定価:880円(税込) 判型:文庫判 頁数:150頁 ISBN:978-4-86534-408-0 発行日:2023年6月30日 発行:現代短歌社
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上野久雄歌集『炎涼の星/夕鮎』
¥1,320
近藤芳美の指導を受け、「未来」創刊に参加、「無頼めいたかげりと途方もないやさしさ」(岡井隆)に充ちた魅力的な作品を数多く残した上野久雄。「みぎわ」誌創刊40周年を記念して第一歌集『炎涼の星』、第二歌集『夕鮎』を一冊に収め、文庫として復刊。 序=河野小百合 解説=吉川宏志 階段を拭く吾の手を跨ぎゆくわが顧客銀行員御一行様 珈琲よもっと脹めさびしかる店主の注ぐ熱き湯浴びて 『炎涼の星』 隣室の深夜の音は手のひらに果物をのせて洗えるならん シクラメン選りいる妻をデパートに見て年の瀬の街にまぎるる 『夕鮎』 定価:1320円(税込) 判型:文庫判 頁数:274頁 ISBN:978-4-86534-404-2 発行日:2022年7月25日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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落合直文歌集『萩之家歌集』
¥1,320
与謝野鉄幹、金子薫園、尾上柴舟らを育て、 近代短歌の源流となった落合直文。 没後刊行された『萩之家歌集』が 現代短歌社文庫の一冊として百年ぶりに復刊。 鯉にとて投げ入れし麩の力にもたちわかれたる浮草の花 あぶら絵に見たるが如きくれなゐの雲の中より夕日さすなり 砂の上にわが恋人の名をかけば波のよせきてかげもとどめず 定価:1320円(税込) 判型:文庫判 頁数:180頁 ISBN:ISBN978-4-86534-378-4 発行日:2021年10月20日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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『完本 佐藤佐太郎全歌集』
¥3,300
第一歌集『軽風』から第十三歌集『黄月』まで定本に統一、簡便な文庫版とした初版本に、『帰潮』再版後記を新たに加えて刊行。解説・秋葉四郎。 必要なのは、何も言わないクッション材料のような言葉だ。意味のない、でも、調べのいい、そんな言葉。歌の名手はそういう「何も足さない言葉」を数多く知っている。佐太郎がいい例である。彼の歌は「何も足さない言葉」の宝庫である。試しに、この索引から「何も足さない言葉」を探してみよう。すると次のような結果が現れる。あらかじめ12首、おしなべて11首。おほよそに23首、あるときは34首。さながらに20首、さまざまに16首。たちまちに32首、ひとしきり23首。さらにセットとなっている『佐藤佐太郎全歌集』を開いて用例をたしかめる。(略)この索引をそんな風に「何も足さない言葉辞典」として活用してみるといい。実例は豊富だ。しかも、それはすべて、あの佐太郎の歌なのだ。この索引を横に置いて歌を作る。すると、あなたの歌は確実にランクアップする。 大辻隆弘(現代短歌二〇一六年七月号 書評より転載) 全歌集収載の全句3万2622句を五十音順に配列した『佐藤佐太郎全歌集各句索引』(香川哲三編)とセットでお求めになることをおすすめしています。(文庫版376頁 定価 本体1667円+税)https://gendaitanka.thebase.in/items/13434907 書籍データ 定価:3000円(税別) 判型:文庫判ソフトカバー 頁数:824頁 ISBN:978-4-86534-260-4 発刊日:2019年6月27日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院
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動向[吉村睦人/著]
¥880
私は「憲法九条を守る歌人の会」の呼びかけ人となって氏と近しく接する機会を得たのであるが、「姿勢のよい人」「思いと行動の一致している人」「揺るがぬ信念の人」というのが氏の印象である。この歌集を読むとこれらは一朝一夕に身についたものではなく、社会的なことも含め、身めぐりの諸々と真剣に向き合って生きてくる中で自身のものにしてきたことがわかる。(下村すみよ「解説」より) もの言ひていきいきとなる横顔を見しとき吾は心を決めぬ 人を騙すことを何とも思はざる者らふたたびのさばりてゆく 蔓ゆるみいたく疲るる眼鏡にて期日迫りし採点つづくる 定価:800円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:139頁 ISBN:978-4-86534-232-1 発刊日:2018年6月26日 発行:現代短歌社
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月語抄[伊藤一彦/著]
¥734
闇の暗さが深ければ深いほど月の光は際立つ。悩みや迷いが深いほど、月光は一条の救いの言葉となり、恩寵となる。悩みは人間としての誠実さのしるしであり、突き詰めるからこそ苦しいのである。(谷岡亜紀「解説」より) 時間なき闇におのれを放つべく睡る夜ごとの声もなかりき 桃落つる音して見えぬくらがりや死者涵(ひた)す水われに充ちくる 何ゆえに奢り心のさびしきや月夜ふたたび貧血したる 定価:667円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:107頁 ISBN:978-4-86534-121-8 発刊日:2015年9月28日 発行:現代短歌社
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無数の耳[大西民子/著]
¥734
たとえ表現された歌の内容にたどり着けてはいないとしても、民子の歌にはその世界に身を委ねていられるたのしさがある。民子の歌の底には、さびしさ・かなしさ・なつかしさが深く漂っている。ただ甘く夢想的な歌との違いが、そこにある。(坂梨隆三「解説」より) 切り株につまづきたればくらがりに無数の耳のごとき木の葉ら てのひらをくぼめて待てば青空の見えぬ傷より花こぼれ来る みづからを錘(おもり)となして沈みゆく夜々に藻草(もぐさ)のまつはりやまず 定価:667円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:121頁 ISBN:978-4-86534-040-2 発刊日:2014年8月24日 発行:現代短歌社