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大辻隆弘歌集『水廊』
¥880
トーキョーが俺の短歌をばかにする 春夜ゆゑなき憤りはや 青春はたとへば流れ解散のごときわびしさ杯をかかげて 品切となっていた著者第一歌集(第一歌集文庫版)を再刊。 疾風にみどりみだるれ若き日はやすらかに過ぐ思ひゐしより わたしはこの一首を現代の青春歌の代表的な一つに算えたいと思った。(略)かれの青春と同時に、一世代以上前のわたしの青春も映っているような気がして心いたむのだ。 岡井隆 文庫版解説=山吹明日香 定価:880円(税込) 判型:文庫判 頁数:124頁 ISBN: 978-4-86534-432-5 第2版:2023年8月25日
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林宏匡歌集『ニムオロのうた』
¥880
生後間もなく樺太に渡り、終戦を樺太庁真岡町で迎えた著者。長じて父と同じ医の道を歩み、34歳からの5年間、根室で僻地医療に従事する。この時期を含む10年間の清冽な抒情を第一歌集文庫にて復刊。 「この歌集が刊行されてから既に四十五年。けれども、今もなお世界に争いは絶えない。ニムオロは根室に、真岡はホルムスクに、キエフはキーウへと名前が変った。そうした観点に立って考えれば、ここに詠まれている様々なできごとは私たちの今に直接つながっている。作者個人の人生を超えた時代のうねりや国と国との争いが、この歌集にも確実に影を落としているのである。」 松村正直(文庫版解説より) 釣り上げし氷下魚も凍る海風に背を向けつつ釣り続けをり 助教授の職を辞退しはや三年僻地に貧しき医療つづくる 激浪を呑みつ吐きつ泳ぎたる漁夫の屍【しかばね】浮腫【むく】み剝げたる 龍胆の花咲く丘ゆ見はるかす青き国後還らざる島 ソビエト戦車の軀幹にチェコ人民鍵十字をば書きて罵る ISBN:978-4-86534-396-0 文庫判222頁 定価 880円(税込)
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江田浩司歌集『メランコリック・エンブリオ 憂鬱なる胎児』
¥1,320
ローザ・ルクセンブルク熱き血のロンド 吊されし黎明にまぎれゆかん 擦過するツェラン青空に血はしずまり悲劇は宴する水の足音に 悔しさの距離に海見ぬ雲雀の死ヴェーユは完膚なきまでヴェーユ こういう作品こそ、江田浩司が前衛短歌の末裔であることを明かしているのだが、 そういう意味でいえば、岡井隆や塚本邦雄や春日井健が切り開いたのは、うたがエロスをうたうだけでなく、タナトスをもうたうというありかたなのである。現代短歌が、 そのことをどこかで忘却しているとするならば、江田浩司の存在は、これまでよりも大きな意味をもってくるのではないだろうか。 神山睦美 作者はこの歌集一巻で、既成に対して、自らの文体や短歌世界を一気に提示しようとしている。まず、その一点突破の姿勢に清々しさを覚えた。第一歌集はこうでなければならない。 谷岡亜紀 歌人江田浩司は圧倒的なドグマを方法として知性の自慰を表現としてみごとに成就させてみせてくれた。 藤原龍一郎 わたしは江田君が、 信ずる所に従つて、 行きつくところまで行くがいいと思ふ。 ただ、わたしもまた、 せい一ぱい目を凝らして、 江田君の歌の行方を見てゐるのだといふことを忘れないでほしい。江田君の本質は、意味偏重の世界(メッセージ派の詩)からはなれて、 蕪村流のロマネスクに遊ぶところにあるのではないか、 とかたく信じてゐるのである。 岡井隆 ISBN978-4-86534-393-9 文庫判242頁 定価 1320円(税込)
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川島喜代詩歌集『波動』
¥880
随分と前から僕は、川島喜代詩の歌を鍾愛してきた。 今回、第七歌集『沈黙』までの歌集を通読して、第一歌集『波動』には、川島の詩情の基盤が充分に詠われていると実感した。 歌壇的には川島は「佐藤佐太郎の高弟」のイメージが強く、それがそのまま、川島は厳格な写実主義者、というレッテルに繋がったふしもある。 だが、この『波動』は、写実主義の一言には括れない柔軟な詩情に満ちている。 黒瀬珂瀾(文庫版解説より) 川島喜代詩没後15年を記念し、第一歌集文庫に入集! 冬の日の鋪道が遠くきはまりて陸橋となる隆起見えをり 人混みをわれの来しとき街川は潮退きしまま泥が暮れゆく かぎりなき波動のなかに波がしら折ふしにして立てるさびしさ 地下室となるべき位置の鉄骨が雨ふるなかに組まれつつあり 妻のゐる窓をまじへしアパートの灯の群落に向ひてあゆむ ISBN978-4-86534-394-6 文庫判170頁 定価 880円(税込)
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安田純生歌集『蛙声抄』
¥880
解説 門脇篤史 歌壇における文語の第一人者たる著者が39歳の時、 口語短歌の激流に抗うように上梓した第一歌集。 投げうたれ砕けむさまを思ひつつ古道具屋に購ふ青磁 昼顔の花のかたへに瑠璃いろの翅とぢがたき死際の蝶 団子虫ゆびを触るれば背をまろむ はかなきわざに過す夕ぐれ たはむれに殺めし蛙も共に鳴き寝ねがたき夜の耳をうしはく ISBN:978-4-86534-327-4 文庫判112頁 定価:880円(税込)
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平山良明歌集『あけもどろの島』
¥880
解説 光森裕樹 蘇生の喜びもつかのま、二十数万の生霊の骨の埋れている島の上には、平和への悲願をせせら笑いつつ、巨大な基地が築かれた。平山君は、この島の「宿命と疎外」を歎きつつしかも「太陽の魂」を失わない。 仲宗根政善 今日の沖縄の問題を、私達はまだほんとうに現地に生活している人たちと同じ感情、感覚で把握していない。理解しているつもりでいるのが一層よくないのだ。ほんとうの悲しみや、いかりは、底の深いところに沈んでいるのだ。 中野菊夫 ISBN978-4-86534-353-3 文庫判172頁 定価 本体800円+税
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吉田信雄歌集『故郷喪失』
¥880
故郷喪失 吉田信雄/著 序文=實藤恒子 文庫版解説=高木佳子 福島第一原発からわずか一・五キロの地に著者の家はあった。 四世代で暮らした平穏な日々を打ち砕かれ、高齢の両親を伴い、 故郷を逐われた著者の第一歌集を文庫化。 ふるさとを帰還困難区域などと軽く言ひたり原発相は われを見て逃ぐるもあれば寄るもあり線量高き庭に野良猫 夥しき原発の本売られをりああ何事も商ひになる 定価:800円(税別) 頁数:118頁 発行日;2020年3月11日 ISBN978-4-86534-312-0
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岡井隆歌集『斉唱』
¥880
いまの私は、試行錯誤という語のもつている弁護力のようなものに甘えて、明確な方法意識に立つことのないアナーキスティックな制作行為を許容し合法化しようとする態度を、はなはだ憎む。(略)私は、一回きりの思想を、一回きりの表現の中に定着しようと、その時どきにもちあわせている渾身の力を行使するだけのことである。 (「あとがき」より) 文庫版解説=鳥居 灰黄【かいこう】の枝をひろぐる林見ゆ亡びんとする愛恋ひとつ 草に置くわが手のかげに出でて来て飴色の虫嬬【つま】を争う 母の内に暗くひろがる原野【げんや】ありてそこ行くときのわれ鉛の兵
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永田和宏歌集『メビウスの地平』[第二版]
¥880
小出版社からのアングラ的な歌集出版は、歌集の出自としては不利だったのだろうが、ある意味、凝りに凝った、若さの自負と気負いの詰まった第一歌集を眺めるとき、これはこれでなかなかいい出発をしたと思っているのである。(永田和宏 文庫版へのあとがき) 文庫版解説=吉川宏志 第二版解説=三上春海 きみに逢う以前のぼくに遭いたくて海へのバスに揺られていたり ひとひらのレモンをきみは とおい昼の花火のようにまわしていたが 背を抱けば四肢かろうじて耐えているなだれおつるを紅葉と呼べり
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大島史洋歌集『藍を走るべし』
¥880
実景や状況をそのまま言葉に定着させるのではなく、それを(過剰に)自身(の理想)に引き付けてべつのものに転換してしまうありよう、それが「観念」化ということではないかと思う。そのようにとらえたとき、『藍を走るべし』はいかにも観念に充ちている。そしてそれを促すエネルギーの源に「若さ」がある。(染野太朗「解説」より) ひそやかにひとりの苦悶の暮れゆけば雷とどろきて夜を走るべし いま僕におしえてほしいいちにんの力のおよぶ国のはんいを かぎろいの燃えたつなかに塔はたち 登れ君らにたおされるまで 定価:800円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:138頁 ISBN:978-4-86534-243-7 発刊日:2018年10月7日 発行:現代短歌社
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大下一真歌集『存在』
¥880
この歌集『存在』の一首一首はまるで、この世界から与えられた様々な公案に、若き禅僧が苦悶し、全身を奮い立たせて答えを出そうとする、そんな精神の表れにも見える。(略)そうした精神の未熟を見つめながら人は移ろっていくのではないか。少なくとも僕は、この歌集の潔癖さに言いようのない愛着を感じる。(黒瀬珂瀾「解説」より) 夏の陽を葉に遊ばせて一樹立つこの雄々しさにいたり難しも 若き死も枯木朽ちゆくごとき死も見て来ぬ闇に尿を放つ 穢土と呼ぶこの世の冬ぞ仰ぐとき無数の切片天より下る 定価:800円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:120頁 ISBN:978-4-86534-240-6 発刊日:2018年9月25日 発行:現代短歌社
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胡麻よ、ひらけ[草柳繁一/著]
¥880
草柳の歌を読むと、短歌の自由さに触れ直したような気持ちになる。リズムの気持ちいい歌や、喩を通じてこころを詠う歌。他にも、妻や娘のことを素直に愛する歌などもある。(中略)一見まとまりがなくてばらばらなようにも見えるが、しかし何度も読んでいくと、どの歌も草柳らしい、自在な息づかいがあるように感じられてくるのである。(阿波野巧也「解説」より) 胡麻よひらけ胡麻よひらけといふ声の低き呪言(じゆごん)の今宵きこゆる 荘周が夢に胡蝶となりて飛ぶ眩ゆき春になりにけるかな これやこの心の交感(コレスポンダンス)或る夜閃き或る夜仄かに 定価:800円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:190頁 ISBN:978-4-86534-225-3 発刊日:2018年6月9日 発行:現代短歌社
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寡黙な鳥[長島蛎/著]
¥880
「異端者」の自覚は、時に世間の主流に対する嫌悪と羨望として、自己批判を含みつつ蛎の心に渦巻いていたのではないか。(略)完全な孤立にも、運動の全体にも身を振ることができず、両側から侵食され続けた愚かな自己は、やがて灰色のかなしみを吐き出す。蛎の歌はだからいつでも、灰色の抒情歌なのである。(濱松哲朗「解説」より) 肌寒く靄の流れる街上を追いつめられし蛾の如く行く 肯定と否定の間にかくも狭く脆き世界のありて我が生く 逆光にその色彩を失えば造花は造花の世界にしずむ 定価:800円(税別) 判型:文庫判ソフトカバー 頁数:192頁 ISBN:978-4-86534-221-5 発行日:2018年1月7日 発行:現代短歌社
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さるびあ街[松田さえこ/著]
¥734
『さるびあ街』は半世紀以上も前の歌集だが、今読んでも心に響く新鮮さを持っている。それはたぶん一首一首の言葉が、生きることに苦悩しつつも、ふたたび強く立ち上がろうとする凛とした意志をはらんでいるからだと思う。(大森静佳「解説」より) かく生きて吾に如何なる明日あらん厨の窓に夕雲動く まぶしきまで明るき部屋に吾の咽喉渇き別離を告げんとしたり 引く潮のまた忽ちに寄せてくる渚にしぶき浴びつつぞ佇つ 定価:667円(税別) 判型:文庫判ソフトカバー 頁数:135頁 ISBN:978-4-86534-206-2 発行日:2017年4月14日 発行:現代短歌社
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白き假名文字[大塚布見子/著]
¥734
作者の抒情は現実から遊離した空想の世界から生まれ出るものではない。あくまでも現実に立脚し、現実に目を見据え、目の前に広がる自然への深い凝視の中から創造されるものなのである。つまり、布見子の描く抒情は、空想とか幻想と訳されるファンタジーの世界ではなく、童話やおとぎ話といったメルヘンの世界であると言えよう。(一ノ瀬理香「解説」より) 小暗(をぐら)きに降りくる雪は天(あめ)よりの白き假名文字とめどもあらず 夕映のつかの間にして消えゆけばさくらはふたたび白きしづもり きさらぎの日の明るけれ山鳩の声はひかりの果(はた)てよりする 定価:667円(税別) 判型:文庫判ソフトカバー 頁数:121頁 ISBN:978-4-906846-127-0 発行日:2015年10月15日 発行:現代短歌社
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沈黙の塩[安森敏隆/著]
¥734
想像力の極北をして鋭く彫琢された言語イメージが紺青の階調にむせぶ。不在と存在、生と死の形而上学は、夢と愛のイリュミナシオンに蒼然と収斂されている。(太田代志朗「幻想論序説」より) 父をこえ赤道を越えなが母はなれをはらみき杳き罪あり 契約は卓上の塩くちびるは永遠(とは)にうるめる黙契の種子 うばひあふこと逢ふたびにおぼえゆく 神にあらざるものの住む街 定価:667円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:139頁 ISBN:978-1-86534-084-6 発刊日:2015年3月29日 発行:現代短歌社
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白銀乞食[恩田英明/著]
¥734
今までは比較的安らかに作歌を続けてきたのだが、もう、そうはいかなくなるだろうという予感がするのだ。文学としての短歌の達成を欲するからには、あらゆる作家、作品に対峙せざるを得ないだろう。故に私はその出発の足掛りとして、この集を編んだのである。(恩田英明「あとがき」より) 吹く風の煽(あふ)るままにて馬酔木の花盛りなる樹の内部(なか)見ゆるまで 喉(のど)渇くわれは泉にはらばひてさびしき空の底を覗くも 口付けてなにか危ふし笑み割るる柘榴(せきりう)は種子こぼれむとして 定価:667円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:109頁 ISBN:978-4-906846-95-5 発刊日:2013年10月10日 発行:現代短歌社
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ガラスの檻[稲葉京子/著]
¥734
初期の稲葉作品は、一見、伝統的な近代のリアリズムを継承しているように見えるが、その実、どの歌もさりげなく仮構がほどこされている。それは、修辞という意味合いではなく「大切なものは目に見えない」という悲哀と、「自分にだけ見えてしまう」畏怖の念であろう。(菊池裕「解説」より) いつの日か倖せを山と積みてくる幻の馬車は馭者のない馬車 いとしめば人形作りが魂を入れざりし春のひなを買ひ来ぬ 君もまた知りてゐるべき静けさの中にして吾に満ちて来し毒 定価:667円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:111頁 ISBN:978-4-906846-89-4 発刊日:2013年9月8日 発行:現代短歌社
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壜と思慕[千々石久幸/著]
¥734
わたしは、現実を超え、日常世界と屹立する空間に永遠の生を彫り、存在することへの問いを架けわたしておきたかった。それはまた、日常をくまどる言葉との戦いであり、私の内奥に眠る言葉になる前の世界へ、その言葉によって突出していくことであった。(千々和久幸「一瞬の虹に」より) 砂に壜埋めゆきしあとの感情を吃らせて夏のいく日か過ぎぬ 人を恋い或いは恋われゆきし日を区切らせ淡く雪降りつげる 約束を反故となすよりほかになきあなたも桜見て帰らんか 定価:667円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:115頁 ISBN:978-4-906846-80-1 発刊日:2013年7月25日 発行:現代短歌社
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伊藤一彦歌集『暝鳥記』
¥734
SOLD OUT
『瞑鳥記』は私にとって血なまぐさく、それゆえ、ときに生への激しい希求を感じさせる歌集である。(大口玲子「解説」より) 水中のようにまなこは瞑りたりひかるまひるのあらわとなれば われらもつあるかなきかの自由よりゆたかなるかな 一滴の血 おとうとよ忘るるなかれ天翔ける鳥たちおもき内臓もつを 定価:667円(税別) 判型:文庫判ソフトカバー 頁数:104頁 ISBN:978-4-906846-30-6 発行日:2012年11月27日 発行:現代短歌社
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朝の歌(マチナータ)[三枝浩樹/著]
¥734
SOLD OUT
即物性と抽象性、この二本の糸の織りなす緊張関係のあわいにこそ詩的世界の豊饒性は生まれうる。そのみずみずしい手ざわりと抽象する鋭さに向かって、わが歌の翼ははばたくのだ。(三枝浩樹「〈朝の歌〉覚書」より) 〈少年〉の声に呼ばれてめくりゆく古きノートのなかの夕焼け 一歩踏み出せばくらき想念の海ありて暗涙のごとしも 信仰の樹林へ歩みそむる頃眼は痛ましきまで何も視ず 定価:667円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:121頁 ISBN:978-4-906846-74-0 発刊日:2013年6月27日 発行:現代短歌社
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空に響る樹々[秋山佐和子/著]
¥734
子どもに対しての透明な母性と夫に対するときの官能性、両者がいかにも純真に発露する作者像は、作者本来の素直さと優しさ、恵まれて安定した生活の実感に裏打ちされて、ゆったりとした説得力をもっている。(米川千嘉子「解説」より) 幹を抱くふたり子の指届くとき銀杏ひときは明るく燃ゆる アスファルト焼けつくハーレム犬の背に老婆のろのろ水流しやる ビルは垂直 湖(うみ)は水平 原初よりをみなは男をまろやかに抱き 定価:667円(税別) 判型:文庫版ソフトカバー 頁数:116頁 ISBN:978-4-906846-59-7 発刊日:2013年5月6日 発行:現代短歌社
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水廊[大辻隆弘/著]
¥734
SOLD OUT
疾風にみどりみだるれ若き日はやすらかに過ぐ思ひゐしより わたしはこの一首を現代の青春歌の代表的な一つに算えたいと思った。大辻君は三十にまだ到達していない青年だし、わたしとは一世代以上年齢がちがう。それなのに、この人の歌には、かれの青春と同時に、一世代以上前のわたしの青春も映っているような気がして心いたむのだ。(岡井隆「解説」より) 定価:667円(税別) 判型:文庫判ソフトカバー 頁数:121頁 ISBN:978-4-906846-34-4 発行日:2013年1月6日 発行:現代短歌社