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たとえ表現された歌の内容にたどり着けてはいないとしても、民子の歌にはその世界に身を委ねていられるたのしさがある。民子の歌の底には、さびしさ・かなしさ・なつかしさが深く漂っている。ただ甘く夢想的な歌との違いが、そこにある。(坂梨隆三「解説」より)
切り株につまづきたればくらがりに無数の耳のごとき木の葉ら
てのひらをくぼめて待てば青空の見えぬ傷より花こぼれ来る
みづからを錘(おもり)となして沈みゆく夜々に藻草(もぐさ)のまつはりやまず
定価:667円(税別)
判型:文庫版ソフトカバー
頁数:121頁
ISBN:978-4-86534-040-2
発刊日:2014年8月24日
発行:現代短歌社
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