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今井恵子歌集『運ぶ眼、運ばれる眼』
¥2,970 税込
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つきるまで歩くほかなしビルの間を蟻の眼【まなこ】をたずさえ歩く
眼は視ることに飽きている。視なければ歌えないことに辟易している。そんな眼に、今井恵子は揺さぶりをかける。あるときは、眼の佇む場所を、時間の大きな流れのなかで相対化する。あるときは、都電に、自転車に、ひかり号に、船に、熱気球に、モノレールに、眼は空間を運ばれてゆく。眼は自由になりえたか。歌は何を超えようとしたのか。
「眼の移動」について考えた作品を一冊にすることとした。目の移動は、つまり散歩をしながらの嘱目である。(略)地を歩く自分と、交通手段に身を委ねている自分では、風景や人や音や匂いに対面する心の動きが違う気がする。作歌によって、何かの納得が得られるかもしれないと思ったのである。突き詰めれば、自分とは何かということなのだろうが、突き詰めるのは苦手である。
(「あとがき」より)
定価:2970円(税込)
判型:四六判ソフトカバー
頁数:228頁
ISBN:ISBN978-4-86534-389-2
発行日:2022年7月22日
発行:現代短歌社
発売:三本木書院
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