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遠く北の地から広範囲の太平洋沖でおきた巨大地震から十一年の歳月が過ぎた。その地をふるさとと呼ぶ者にとって、震災後はじめて降り立った新幹線の駅の空気感はからだの奥深く染み込んで今もある。(略)そして十年が過ぎてからはじめて、目の前にしたものが言葉となった。
(本書「野に思う」より)
振り向いてここに人がいたひろがりに深くひとたちがいる
髙橋みずほは、野にたたずむ歌人である。
その声は、吹く風にかき消され、途切れては、紡がれる。
それは短歌なのだと気づいて、私たちは定型詩の残響をとらえようと耳を凝らす。
風の音のむこうに、言葉になりえなかった、沈黙の声が聴こえる--。第十歌集。
定価:3300円(税込)
判型:A5判変型ハードカバー
頁数:200頁
発行日:2022年11月24日
ISBN:978-4-86534-410-3
発行:現代短歌社
発売:三本木書院(gift10叢書第48篇)
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